国土交通省がトラック運転手の待機時間について遂にメスを入れる

トラック運転手の待機時間は常々問題になっていますよね。
しかしこの問題について、劣悪な労働環境からあまりの運転手不足を危惧して、
国土交通省が一石を投じようとしています。

知ってる方も中にはいると思いますが、
実は去年の7月頃に国土交通省がいわゆる「大型トラック運転手」のみに、
「荷待ち時間」の記録を義務付けました。
(わたしも長い待機時間への怒りをこめてしっかり記録していましたよ…)

 トラックドライバーの業務の実態を把握し、長時間労働等の改善を図るため、荷主の都合により待機した場合、待機場所、到着・や荷積み・荷卸しの時間等を乗務記録の記載対象として追加する「貨物自動車運送事業輸送安全規則の一部を改正する省令」を、公布しました。

1.背景
 トラックドライバーの長時間労働の是正のためには、荷待ち時間等の削減を図ることが必要です。このため、荷待ち等の実態を把握し、そのデータを元にトラック事業者と荷主の協力による改善への取り組みを促進するとともに、国としても荷待ち時間を生じさせている荷主に対し勧告等を行うに当たっての判断材料とすることを目的として、貨物自動車運送事業輸送安全規則(平成2年7月30日運輸省令第21号)に定める乗務記録の内容等を改正することとするものです。

2.概要
(1)乗務等の記録(第8条関係)
  トラックドライバーが車両総重量8トン以上又は最大積載量5トン以上のトラックに乗務した場合、ドライバー毎に、
  ・集貨又は配達を行った地点(以下「集貨地点等」という。)
  ・集貨地点等に到着した日時
  ・集貨地点等における荷積み又は荷卸しの開始及び終了の日時 
  等について記録し、1年間保存しなければならない。
(2)適正な取引の確保(第9条の4関係)
  荷主の都合による集荷地点等における待機についても、トラックドライバーの過労運転につながるおそれがあることから、輸送の安全を阻害する行為の一例として加える。…引用元…国土交通省 トラックドライバーの荷待ち時間等の実態把握や解消に向けて、荷待ち時間等の記録を義務付けることとします

どれほどまでに改善されるかはわかりませんが、
これはとてもいいことですよね。

そしてわたしが「トラック運転手のキツイところ」でも書きましたが、
運転手としてキツイのは「待機時間の長さ」です。
それくらいに運転手の待機時間って長いんですよ。

全業種で待機時間が一番ヤバいのは「加工食品」だった。

まずはこれをご覧ください。

…引用元…国土交通省 荷待ち時間サンプル調査

こちらは「サンプル(速報値)」となってはいますが、
ほとんど正確です。
そして一番待機時間が長い「輸送品目(運んでいるもの)」は「加工食品」でした。

そもそも「加工食品(かこうしょくひん)」ってなんだか知っていますか?
業界では「加食」なんて呼ばれたりするんですが、これに分類される食品はかなり多いです。
イメージでいうと、
スーパーなどで扱う「生鮮食品」以外の食品はほとんど「加食」です。

ふりかけとか、カレーなんかももちろん加工食品に分類されます。

それでこれをよく見ると待ち時間の中で最も多かったのが、
「一ヵ所当たりの平均的な待ち時間が30∼1時間00分」となっていますね。
このヤバさわかりますか?(笑)

これは1日当たりの待ち時間ではなく「一ヵ所当たりの待ち時間」なんです。

これを見れば転職する際などにも役に立つ

これって「転職」する際の指標なんかにも使えると思うんですよ。
例えばですが、
待機時間が長い「輸送品目」の会社はちょっと除外してみるとか、
色々参考にできそうですよね。

まとめ

まあこれによって劇的な効果があるのかって聞かれたら、
正直誰にもわからないですよね。
けど確かなことはやらないよりかはマシです。

ただ、
効果は薄いと思います。
そもそもこれでできることって「悪質な荷主に対しての是正勧告」のみで、
罰則なんかはないようですからね。
こういうのって罰則なければほとんど意味がないものです。

ただ、
私が思うのはもう正直こんなことするまでもなく、
労働改善に向けて運送会社自体努力することを余儀なくされている状態がもう来ていると思います。

なぜこんなことになったか簡単にこのスキームを説明すると、

給料安い労働時間長い→
人辞める→
給料上げる→
募集する→
人が集まらない(今ココ)→
労働時間を短くする→

一言で言えば人材不足ですね。

現状の状態的には「給料を上げる」段階に踏み切っているのが、
どこの会社もそうではないでしょうか?
でもですね、
どこの会社もこれだけじゃ全く人が集まってないんですよ。

そして次は労働時間を短くしてみる。
でもこれでもあんまり集まらないと思います。
運転手やる人は、そこそこの給料を欲しがっていますからね。
そこそこ労働時間短くてそこそこの給料が欲しいんですよみんな。

じゃあ経験のある運転手ではなく、
新しい人材を育てようと思うじゃないですか?
でもこれはもっと厳しい。

トラック運転手は、
本当に長い時間かけて「マイナスなイメージ」が定着してしまってますからね。
これは賃金や雇用環境だけでなく「トラック運転手は底辺?」という記事でも触れたように、
そういったイメージもあります。

まさしく悪循環に入ってるわけですが、
現状の運転手の雇用環境を根本的に打破するには、
荷主がどうこうではなく「商品」の値段を吊り上げなくてはいけません。

いま「日用品」として我々が手にしているものが、
あの安さであるのは「運転手」の給料が安いからです。
これに他なりません。

なのでもし、
わたしたちの給料がこれから先大きく上がることがあるとすれば、
日用品や食品類などの値段も大きく上がっているかもしれませんね。

物流コラム
この記事を書いた人
丘

運んで運んで6年目です。
最近では、
運ぶだけではこの先厳しいのではないか?と思い「運ちゃんネット」を作ってみました。

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