「トラックのタイヤが万が一パンクしたらどうしたらいい?」
経験のある運転手なら、どうすればいいか聞かずともわかると思いますが、稀に新人の方が乗用車感覚で、パンク対処をしたりします。
実はこれ本当に危険。
じゃあどうすればいいのか。
まず、結論から言うと、
「タイヤがパンクしたら走行するな」
なのですが、その理由と詳しい解説を説明していきます。
トラックのタイヤがパンクした時の対処法
その場から動かない。ホイールがダメになってしまう。
基本的に、パンクしたらその場から動かないのが鉄則です。(言わずもがな、安全な場所には移動してくださいね)
荷物を積んだ状態なら、なおさら。
というのも、トラックはタイヤ1本あたり(輪荷重)で支えている重量が、かなり重いので、その状態で走行を続けると、
ホイールがダメになってしまいます。
これは私の話ですが、まだ入社したてのころ、
「あ…タイヤパンクしてる…ま、走れるし、後で整備工場いけばいっか^^」
荷物を積んだ状態で、気付いていたのにもかかわらず、配送を続行してしまい、ホイールをお釈迦にした経験があります。
ご想像の通り、めちゃくちゃ怒られました。
なので、まずはパンクに気づいた時点で上司に必ず一報をいれましょう。
業務上のトラブルで、自己判断は禁物です。
そもそも自力でタイヤ交換は難しい
どのトラックもスペアが積んであるので、
「あれ、自分で交換できる…?」
と思いがちですが、結構厳しいです。
というのも、トラックのタイヤのボルトは「エアコンプレッサー」を使って、「規定のトルク」で締めているので、人力だとけっこう固いんですよね。
私も興味半分から、2t車のボルトを人力で緩めようとしたことがありますが、「ピクリ」ともしませんでした。
それくらいのレベル。
スペアはロードサービスの方が交換するために、ついていると思ったほうがいいです。
会社の人からそう教えられたのなら、従うしかありませんが、基本的に手順一つ間違えるだけでかなり危険ですし、自力で交換しろという会社は、まあ聞いたことないです。
自走が可能でも走るのは危険
「ダブルだし、走れそうだな…」
先ほどの画像を見て頂けるとわかりますが、今では、多くのトラックが「ダブル」といって、後軸の片側にタイヤが2輪ずつついています。
ただし、そうであったとして自走が可能でも、危険なことは忘れないようにしましょう。
というのも、空気の抜けたタイヤは吹っ飛ぶ可能性があるから。
万が一タイヤが吹っ飛べば、2次災害にもつながります。
高速道路を走るのなんてもってのほか。
トラックのタイヤはサイズも大きいので、もはや「兵器」です。
トラブルの対処は常に「最悪」を想定するようにしましょう。
釘やネジがささっていたけど、パンクしているかわからない場合はどうすればいい?
トラックのタイヤは溝も深く、タイヤの空気が入っている層までもかなり深いです。
ですので、
「空気が抜けているか」見た目や音で確認できない場合は、思い切って抜いてしまいましょう。
そのネジやくぎが、空気の層まで到達していたりすると、タイヤ内部のワイヤーにも引っかかている場合が多く、
人の力で抜けるようなものではないようです。
これは、実際にタイヤ屋の人に聞いたことで、
その物が抜けるか抜けないかでも、パンクしているかどうかの、判断にもなると言っていました。
また、その時にエア漏れなどの音が聞こえない場合でも、
大抵、2∼3時間もすればどんなに小さな穴でも、タイヤの空気は抜け切るとも言っていました。
スペアタイヤもしっかりとチェック
実は過去にこんな事故がありました。
岡山県津山市の中国自動車道で10月、大型トレーラーが路上のタイヤに乗り上げて横転し、巻き込まれた親子2人が死亡した事故で、スペアタイヤを落として事故を招いたトラックのタイヤ固定器具がさびて破断していたことが、捜査関係者への取材で分かった。トラックは2005年式で、県警は長年の使用で強度が低下していた可能性があるとみて調べている。
引用 デジタル毎日(毎日新聞)
トラックの場合、スペアタイヤは、ロードサービスを手配した時に、
交換してもらうためにあります。
なので、実際に使用可能かもチェックするのも大事。
そして、上記のような事故が起きないようにするために、
スペアを固定している金具が「劣化」していないかも、しっかりとチェックするようにしましょう。
まとめ
パンクした時の対処法をまとめると。
・走行ない
・交換しない
・ロードサービスを呼ぶ
です。
トラックを使った仕事って、
いつも乗用車で慣れたような、トラブルであっても、対処法が違う場合がよくあります。
とにかく大事なのは、
「上司に報告」を入れて判断を仰ぐことで、有事の際には、必ず自己判断で行動しないようにしましょう。
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