自動運転の普及によって、
「トラック運転手の仕事は近い将来なくなる」
と思ってる方って結構いると思うんですけど、
「まだまだ無くならないんじゃないか?」
というのが、私の率直な感想です。
自動運転がトラック運転手の仕事を奪えない理由
運転だけが仕事じゃない
まず最初に言いたいのが、運転手って純粋な運転が仕事というよりも、降りてからの仕事も多いです。
食品問屋などに納品に行くとよくわかるんですが、
「棚入れ」と呼ばれる格納作業は、規模が小さい倉庫はほとんど運転手がやってます。
店舗向けのルート配送をやっている運転手さんのなかには「補充・陳列」をやっているところも。
いわゆる宅配じゃない、企業間の配送って、ドア・トゥー・ドアであることが稀なんですよね。
また、トラック運転手として「技量」が問われるのは運転”以外”のことが多いです。
例えば荷物の縛り方(固縛)であったり、積み込みの方法。
自動運転が普及したとしても、これらの作業は導入コストの面で見ても、無くせない、無くならないのではないかと思います。
付帯作業は間違いなく無くならないぞ。
運転手の人にやってもらった方が効率がいいこともあるからね。
自動運転が普及しても乗務員は必要
いくら自動運転といっても、自動運転車が事故を起こした時の責任割合だったり、法整備を考えると、
「とりあえず乗務員は必須」
としたほうが色々と都合がいいですよね。
自動運転普及の一番の障壁は、法整備なんじゃないかと思っています。
最近見たTVで、バス会社の社長が「自動運転の技術は完全に乗務員を無くすのではなく、乗務員の補助ためにあるだけでも、だいぶ負担は変わってくる。そういった技術が普及すれば人材不足にも対応できるのではないか。」と言っていました。
本当にその通りです。
現在販売されている大型トラックの新車の多くは、いわゆる「レベル1の自動運転(追従、スピードの加減速、左右の監視等)」が搭載されていますが、実際に乗ってみた感想としてはこれだけでも体の負担は全く違います。
断続渋滞なんかで使用すると、すごく楽です。
ただ、そもそも物流自体人気のある業種ではないので、技術の普及、乗務員の負担軽減が人材不足の貢献に寄与するかと言えば未知数ですけどね。
多くの会社が”コスト的”な理由で導入ができない
最近出たプロフィアなんかは「PCS(衝突被害軽減ブレーキ)」というのが全車備わっているのですが、周りを見てください。
「最新車両は道路をどれだけ走ってますか?」
例えば、追突を起こさない車っていうのは、運送会社的には、買わない手はないくらいのメリットのはずです。
でも、いざ導入にあたってのコストを計算すると「最新の技術」より「事故を起こしにくい乗務員の経験」に委ねたほうが安く済んでしまうんですよね。
もう一つ例にあげると、Amazonの倉庫では「自動ロボット」が活躍していますね。
もちろんこういったロボットは、業種によって向き不向きはありますが、このようなロボットを導入している倉庫や会社は現在どれほどあるか?ということです。
このように技術は確立されているけど「普及」していくかというのは全く別問題というのがよくわかる事例の一つですよね。
つまり、経済的な要因によって、導入できない会社はたくさんあるということです。
トラックの値段はみんなが想像しているより高い!
自動運転は普及しないのか?
普及はするでしょうね。
それが何年後かと言うのはわかりませんが。
予想ですが、宅配大手のヤマトなんかは”高速道路”を使用した拠点間の輸送であれば、あと一歩のところまで来ているのではないでしょうか。
ただ、これが一般道路となると話が全く違うんですよね。
なので、まずは高速道路から。
続けて最近トヨタが発表した「コネクティッド・シティ」のような、1から整備されたような都市でドローンによる宅配、あるいは自動運転にによる一般道走行の実証実験が始まった後、普及がゆっくりと始まるのではないでしょうか。
また、自動運転周りの話題を見てて思うのですが、あくまで大手が自動運転に力を入れているのは、「社会貢献」の側面が強いのではないかと。
儲かるか儲からないかで言えば、全く儲かってないと思いますし、採算が取れる目処なんかたっていないと思います。
まとめ
このように「なくならない理由」書かせていただきましたが、正直私の考えでは「全部自動運転に置き換わってしまえばいいのに」と思っています。
歴史から見ても、
「~は雇用を奪う」
という事が、新しい技術が出るたびに、取りざたされていますが、それが誰かの「不幸」になるのかというと、
そんなことあり得ないんですよね。
雇用を奪うっていう言い方は本当にナンセンスで、自動運転や、こういった技術革新を本当にシンプルに考えると、
「今まで2人でやってきたことが1人でできる」
ってことだと思うんですよ。
だから、こんな素晴らしいことを歓迎しないこと自体がそもそもおかしいんですよね。
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