「あぁ…昔はよかった、むかしの運転手はよかったよ…。」
現在運送業で働いている方、またはトラック運転手に繋がりがある人は、1度はこの言葉を聞いたことがないでしょうか?
私も例に漏れずそれで、
「一体何がよかったの?」
とずっと思っていましたが、長~い昔話がはじまりそうなので、それ以上先を、上司に聞くのをためらっていました。
ただ、そうはいっても、世の中には気になる人も多くいると思うので、意を決して「昔」をよく知る上司に聞いてみましたよ(*´ω`*)
まあその中で意外にも面白い話があったので、その時のことを書こうと思います。
昔のトラック運転手は良かったって、何がよかった?
そもそもトラック運転手という”社会的立場”が低くなかった
まず真っ先に言っていたのがこれです。
そういった考え方の人は、昔はほとんどいなかったようです。
だからなんでこうなったのか不思議なようで。
大型トラック運転手ともなると花形
トラック運転手のなかでも、大型の運転手ともなると、花形だったようです。
憧れることはあれど、
蔑まれることなんか全くもってなかったと。
ただ、昔のトラックは「パワステ」なども一切ないし、「エアコン」なども今みたいにしっかりと冷えることもなかったため、荷物を積んでバックをするだけで、大汗をかいていたようです。
昔は運転自体が大変だったんですね(*´з`)
自主荷役などは一切なし、そもそも荷物に触らない
「自主荷役」というのは、運転手自身で積み込みなどの作業をすることをいうのですが、昔は全くしない人もいたとか。
本当に仕事は運転だけ。
今では「自主荷役」が当たり前ですが、もし、それを当時の運転手に頼もうものなら、
「ああ、荷物積み込んでくれないなら帰るから」
「自分たちで運んで」
と言って帰っていたようです(笑)
その他にも、基本的に積み込みは倉庫の方がやっていたようなのですが、少しでも積み方が下手だと、
「ねえ、そんなじゃ危なくて走れないよ。やり直して。」
と言っていたとか。
よもやここまで当時の運転手が、生意気なことを言っていたと考えると、今現在の状況は、少し自業自得とさえ思えますね(笑)
長距離の給料はかなり良かった
長距離の運転手はかなり「給料」がよかったようです。上司の話だと、月50万以下の人の方が珍しかったとか。
業界全体に活気があった
まあこれだけ良かったって話があると、業界全体に活気があったのもうなずけますよね。
ただ、時期的にも「昔は良かった」と言っている時期は、「バブル」ともちょうど重なるので、日本全体に活気があったのではないでしょうか?
まとめ
過去の話を今聞くとびっくりしますが、ここまで現在の運送会社を、取り巻く環境が悪くなってしまった原因に、
真っ先に上がるのが「規制緩和」ではないでしょうか?
【物流2法】
貨物自動車運送事業法と貨物運送取扱事業法をさす。 1990年 12月1日に貨物輸送の規制緩和の一環として制定された。貨物自動車運送事業法は,トラック事業規制を道路運送法から独立させ,従来の免許制を許可制に切換えた。さらに,路線トラックと区域トラック事業の免許区別を廃止,運賃は従来の認可制から事前届け出制に改めた。貨物運送取扱事業法は,通運事業法を廃止して,普及している複合一貫輸送に対応した法律。運送取次事業は登録制,利用運送は許可制,運賃は事前届け出制とするなど,規制を全般に簡素化し物流近代化に対応した。引用 コトバンク
正直私自身、規制緩和自体は悪い事でもなんでもないと思います。
ただ、結果としてこうなってしまっただけで、自由競争を促すこと自体はむしろ良いことですよね。
だから、これから変わればいいんですよ。
今は運転手不足で、労働環境もどこの運送会社も決して良いとは言えませんが、結局「運び手」が本当の意味でいなくなりはじめたら、
否が応でも環境は変わっていきますからね(; ・`д・´)
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