トラック運転手の拘束時間は長すぎる!”イカレ”た労働基準法に思うこと

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もうこのサイトでも、トラック運転手の拘束時間や、待機時間については、様々なページで触れてきました。

キツイキツイっていうけど…トラック運転手って、なにがきついの?
国土交通省がトラック運転手の待機時間について遂にメスを入れる

ただ、法律で決められている「拘束時間そのもの」については、あまり深くは触れてこなかったのですが、今回はそこだけに焦点を当てて、まとめていこうかと思います。

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トラック運転手の拘束時間について

法律で決められた1日当たりの最長拘束時間は16時間

知ってましたか?実はトラック運転手の拘束時間は、法律でしっかりと決められています。

では、この「イカレタ」拘束時間の限度を、簡単な表にまとめてみました。

期間 拘束時間
1日 原則13時間まで(週に2回16時間まで可)
1ヶ月 原則293時間まで(年に7回までは320時間まで延長可)
1年間 3516時間まで

ざっとこんな感じ。

まあ現役のトラック運転手として、ずーっと前から思ってたことは、

「これは、何基準で、誰が決めたん? ^^」

あのですね。1日あたりの拘束時間最高16時間って、慣れてない人だと、

「半端じゃないくらい長く感じます。」

だって普通に考えて、

普通の人の2倍近く拘束されてるわけですから。

平日の「自分の時間」とかマジで無くなります。

でね、普通に16時間拘束は、まあとりあえず9万歩譲っていいとして。

そうなると、1日あたり24時間しかないので、16時間拘束されたら、残り8時間しかないわけですよ。

面白いことに、この16時間にはもちろん、通退勤にかかる時間なんか入っちゃいません。

なので、仮にですが、純粋に通退勤に1時間かかったとしたら残り7時間。じゃあ家に帰って、速攻ご飯食べて、速攻お風呂入って1時間。残り6時間。

「あれ!?w寝る時間もう6時間しかない?!!?w」

という状態。

つまり、国家に許された法律で、

「6時間以下の睡眠で何とかせえ」

っていうのが週に2日もOKなんですよ!

週に2回ですよ!?最長でも6時間睡眠が!いやもうやばない?w

人権もどこかに忘れてきたんですかね…。運転手ってやつあ…。

労働基準監督署仕事しよう

まあそれで、運送業にもこの「イカレタ」労働時間の基準を守っているか、定期的に「監査」というものがはいるんですが、わたしがですね。聞いた話だと、

「最長16時間を守ってれば、他の事にはそこまでうるさく言われない」

らしいです(*´ω`*)

震えますよね。そこはちゃんと仕事しようぜ!な!

まとめ

その他にも、拘束時間については細かな細則がありますが、

正直9割の運送会社は、守っていないでしょう。

確かに、それらすべてを守るのは大変ですが、このように「最長拘束時間16時間、原則は13時間」というような、わかりやすく、守りやすい規則があると、

それさえ守っていれば大丈夫というように、解釈する事業者もあります。

亡くなった運転手は武田正臣さん(52)。正臣さんは配送先の物流センターで意識を失い、今年4月28日、致死性不整脈で死亡した。運送業者「ライフサポート・エガワ」(東京都足立区)に1991年に正社員として入社。埼玉県内の同社戸田センターで2014年9月ごろから大型トラックの運転手となり、スーパーで扱う製菓類の運送を任されていた。

1日の勤務の流れはこうだった。午前2時半までに出勤し、荷物の積み込みを1時間から1時間半程度行った後に、タイムカードに出勤時間を記録してから配送に出る。配送業務を終えて戻った後は集荷してきた荷物の荷下ろしをして、タイムカードで退勤時間を記録。通常は午後5時台に帰れたが、繁忙期は午後11時ごろの帰宅となることもあった。…引用元…弁護士ドットコム

「ライフサポート・エガワ」と言ったら、運送業界では、結構大手で、知ってる人も多いと思うのですが、亡くなってしまった従業員の奥さんが、労災に「過労死」申請された時の、ニュースになります。

記事全文を読んでいただければわかりますが、

なかなかにひどい会社です。

亡くなられた方が、働きすぎでそうなってしまったのかは、定かではありませんが、

働かせすぎです。本当にその一言に尽きます。(繁忙期の睡眠時間は1時間30分∼)

ただ、これでなにを言いたいのかというと、

そもそも、ここまでの労働基準違反を見つけられないことにも問題があるのではないか?

と思うんですよ。

1日の勤務の流れはこうだった。午前2時半までに出勤し、荷物の積み込みを1時間から1時間半程度行った後に、タイムカードに出勤時間を記録してから配送に出る。配送業務を終えて戻った後は集荷してきた荷物の荷下ろしをして、タイムカードで退勤時間を記録。通常は午後5時台に帰れたが、繁忙期は午後11時ごろの帰宅となることもあった。

特にこれ。

まあ運送会社の常とう手段でもありますが、

正直ちゃんとわかる人が、タイムカードとは別に「タコグラフ」を見れば、

「あれ?この荷物いつ積んだの?」

というように、記録の矛盾を即発見できます。

特に大型からは、業務に関して、記録しなくてはいけないものが結構多いのですが、何のためにそれを義務付けているのかって感じですよね。

このように、トラック運転手の拘束時間は、本当に「穴だらけ」なのですが、人手不足が深刻とか言ってるなら、

さっさと労働基準法見直せよと思いますよね。本当に。

物流コラム
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この記事を書いた人
丘

現役の大型トラック運転手。運んで運んで7年目。最近では、運ぶだけではこの先厳しいのではないか?と思い「運ちゃんネット」を作ってみました。

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