「長距離トラックの仕事ってどんな事をするの?」
「とりあえず長距離をトラックで走るのはわかるんだけど…」
数あるトラック運転手の中でも「稼げる」と言われている長距離の仕事。
実際の仕事内容はどうなのか?きつい?給料は高い?
気になる人は多くいると思います。
という訳で、今回は現役で「長距離ドライバー」の「トラックあるあるさん」に取材協力して頂きました。あるあるさんといえば、運転手界隈の人気者。
「トラックあるある」という公共性の高いネーミングに釣られてフォローした方々、初めまして(´◉◞౪◟◉)#トラある タグで今まさに起きたことを呟いたり、中の人がTLで暴れてたり、倉庫や工場に文句言ってたり、下ネタ飛ばしたりしてます。
出来るだけ面白い垢を目指してますのでよろしゅう頼みます。— トラックあるある (@RANJER_GOGO) 2018年12月5日
最近ではこんなツイートがバズってました。
フェラーリの事故とかだと億車とか言われてみんな事故ったらやべーって思うと思うんだけど、対トラックでもトラック700万〜3000万、積荷が高額だと平気で合計億行きますから、気軽にわりこんだり、前できついブレーキ踏まないでね♡
— トラックあるある (@RANJER_GOGO) 2019年1月3日
そんな「あるあるさん」に、長距離運転手の仕事というのはどんな仕事でどんな内容なのか。詳しく聞いていきます。
- 長距離トラック運転手の仕事内容!ベテランドライバーに詳しく話を聞いてみた
- 長距離運行の1日目~荷物を積み込んで目的地へ向けて出発~
- 長距離運行の2日目~ひたすら目的地へ向けて走る~
- 長距離運行の3日目~積み込んだ荷物を降ろし、帰り荷を積む~
- 長距離運行4日目~帰り荷の納品先が会社へ近い場合は帰庫し、自宅へ帰る
- 長距離運行5日目~帰り荷を降ろし、長距離運行終了~
- 長距離トラック運転手の1運行の流れ
- 長距離トラック運転手は意外と時間に余裕がある?
- 長距離運行の運転時間も含めた1日の平均的な稼働時間はどれくらい?
- 長距離ドライバーのきついところや楽なところ
- 長距離ドライバーはしっかりと休みが取れるのか?
- 長距離運転手の気になる給料は?やっぱり高かった
- トラックあるあるさんが長距離運転手になった理由も聞いてみた
- これから長距離運転手を目指す方へアドバイス
- まとめ
長距離トラック運転手の仕事内容!ベテランドライバーに詳しく話を聞いてみた
長距離運行の1日目~荷物を積み込んで目的地へ向けて出発~
ーさっそくですが、長距離トラックの1日の流れについて教えてもらえますか?
長距離というのは荷物積んで、目的地に行き帰り荷積んで帰ってくるまで、日数かかるので「九州〜関東」の運行を例にして説明しますね。
まずは第一日目。 朝の9時、会社に出社して、点呼、始業点検から始まります。
僕の場合はある運送会社の専属庸車なんで、その荷主に電話を入れ、今日の積み込みを聞いてから出庫します。
たいていは午後から積み込みになることが多いですね。
普通の長距離なら一箇所ドーン!で積むので14〜16時ごろには積み上がり出発できますが、僕は混載便で2〜3箇所集荷するので、積み上がりが17時過ぎることもあります 笑
ともあれ積み上がったら目的地に頭向けます。 途中のトラックのスタンドや、PAのシャワーステーションでシャワー浴びつつ、時間内で走れるとこまで走ってその日は終了。
ー1日目は予想通りというか、そのまま荷物を積み込んで出発という感じですかね!ちなみに1日目は朝9時に出社となっていますが、こちらはだいたいその時間に出社するんですか?
これは「※空車」スタートのケースで、前回運行の帰り荷を下ろす場合はもっと早くに動いてる場合もあります笑
ですから、朝9時に出社が固定という訳ではないです。
長距離トラック運転手の1日目のスケジュール
9時 | 会社に出社。点呼・始業点検をし、荷主に電話して積み込み予定を聞き出庫 |
12時~16時 | 積み込み先到着。荷物を積み込む(2∼3か所で集荷) |
16時~ | 関東に向けて出発 |
19時~ | SA・PA、トラックステーション等でシャワーを浴びる |
20時~ | 時間内まで走れるところまで走り、就寝 |
長距離運行の2日目~ひたすら目的地へ向けて走る~
朝、会社に点呼の電話をして出発。 この日は走るだけの場合が多いので、目的地最寄りのPAや道の駅、トラックステーション目指して走ります。
んで、目的地近くのトラック止めれる場所に到着しましたら、そこで二日目の運行終了です。 納品先の注意事項や入場方法などを確認してから寝ます。
ー丸1日運行だけという日があるんですね!
そうですね。 だから荷物を触らない日がある。これが長距離の楽な部分ですね。
長距離トラック運転手2日目のスケジュール
5時30分 | 会社に点呼の電話をして出発 |
6時~15時 | 目的地最寄りのPAや道の駅、トラックステーション目指してひたすら走る |
15時~18時 | 休憩を挟みながら、目的のPAに到着 |
長距離運行の3日目~積み込んだ荷物を降ろし、帰り荷を積む~
ー3日目はどのような流れでしょうか?
3日目。 納品先に時間通りに到着させ、荷下ろし場所や荷下ろし方法を確認の上降ろします。 僕は混載便なんでさらにもう1〜2箇所回りますが、たいてい午前中には降ろし終わります。 荷主さんに終了連絡と帰り荷の確認の電話を入れ、帰り荷積みに行きます。 この流れは場所が違うだけで一日目と同じですね。 そして積み上がったら帰り道につきます。 走れるとこまで走って終了です。
長距離トラック運転手の3日目のスケジュール
7時 | 会社に点呼の電話を入れ、出発 |
8時~11時 | 1日目に積んだ荷物を降ろす。降ろし終えたら荷主に電話し、帰り荷の集荷へ。 |
12時~14時 | 帰り荷の積み込み |
14時~19時 | 走れるところまで走り、PAなどでシャワーを浴び就寝 |
長距離運行4日目~帰り荷の納品先が会社へ近い場合は帰庫し、自宅へ帰る
4日目は目的地近くまで走るというのは2日目と流れは同じですが、納品先が会社に近い場合は会社に帰って、そのまま一旦自宅に帰ることもあります。
ーってことは帰り荷っていうのは、1日目の出荷先に持ち帰る荷物ではなく、別の場所に納品するってことなんですか??
そういった往復便もありますが、僕は別の場所で積んで、新たな納品先に行くことが多いですね!
ーそういった便もあるんですね!
長距離トラック運転手4日目のスケジュール
4時 | 会社に点呼の電話をいれ、出発 |
4時30分~12時 | 休憩を挟みながらひたすら走る |
12時~16時 | 昼食をとり、ひたすら走る |
17時 | 納品先が会社から近いので、帰庫。自宅へ帰る。 |
長距離運行5日目~帰り荷を降ろし、長距離運行終了~
5日目、納品先に付け、午前中には空車になる… 長距離ドライバーの一日というか、一運行の流れです。
長距離トラック運転手5日目のスケジュール
7時 | 会社に出社。点呼を終え、出発 |
8時~11時 | 納品先到着。荷物を降ろす |
12時 | 会社に帰庫。洗車や点検をして、自宅へ帰る。 |
というわけで、長距離仕事の「1運行」の流れが終わりました。
ここまでのスケジュールを1週間の流れで見ると、下のような感じになります。
長距離トラック運転手の1運行の流れ
1日目 | 荷物を積み込み出発 |
2日目 | 目的地へ向け、車を走らせる |
3日目 | 1日目の荷物を降ろし、帰り荷を積む |
4日目 | 新たな納品先へ走り、会社が近い場合は帰庫し、自宅へ帰る |
5日目 | 帰り荷を納品先で降ろし、運行終了 |
長距離トラック運転手は意外と時間に余裕がある?
ー気になったんですが、例えば1日目か2日目に大渋滞にハマったり、どうしても慢性的に渋滞する地域を通る時があるじゃないですか?
そういった場合は、やっぱり運行終了の時間が大幅にずれたりとかあるんですか?
また、あるあるさんの運行スケジュールの印象では、割と規則的な時間帯に働けそうな印象を受けたのですが、いかがでしょうか?
慢性的な渋滞は運行時間の計算に入れてますので問題ないですね。また通常の工事、事故、故障車渋滞も計算に入れて走ったり、回避したりしています。
ーなるほど!突発的(事故など)な通行止めとがない限り、そこまで時間はずれませんからね。ってことは運行の時間的にそれなりに余裕があるってことですよね!?
このモデルケースはそうなんですが、ひどい積み込み先なるといつまでも待たせて、夜遅くにやっと出発ってなこともあるし、荷物によっては寝ずに一晩走り切ったりもありますから、あまり規則的にさせてくれませんね。
そうですよ。長距離は全体的には時間的余裕は保たせてあります。
ーつまり荷物によりけりな部分もあるけど、基本的には余裕があると……。
そうですね。地場だと時間的余裕がない運行が多いのに対して、長距離は余裕ありますし、最悪寝る時間削れば延着することはない…まあ今の時代こんなこと言っちゃいけませんが笑
ー私は地場ですが、確かに時間的余裕はあんまりないです。ただ、勝手な印象ですが、長距離の方がもっと時間に追われているイメージがありました!笑
僕は混載便で3箇所AM着あったりすると、時間に追われますが、基本はそこまで時間には追われないですよ。
長距離運行の運転時間も含めた1日の平均的な稼働時間はどれくらい?
ー平均でいいのですが、1日あたりの運転時間も含めた稼働時間の平均はどれくらいなんでしょうか??
長いときは16時間一杯稼働してるときもありますし、帰り荷がその日に出ないから泊まりって場合は5時間くらいしか動いてなかったり、荷物によってまちまちです。
本当に一概には言えないですね。
長距離ドライバーのきついところや楽なところ
ー長距離ドライバーの楽なところ、きついところを教えてもらってもよろしいですか?
楽なところはまずは荷物を扱う回数が少ないことですね。 地場だと一日何回も積み降ろししないといけないのに対して、長距離は行きと帰りの2回だけですからね。
もちろん運行内容で変わりはしますが。 あとは余裕があれば景色良い場所に止まって写真撮ったり、好きな定食屋さんに寄ったり、温泉寄ったり道中が自由なとこでしょうか。
恋人の聖地に作業服で一人で行くのを趣味にしてるドライバーのフォロワーさんもいます 笑
ーそれは面白い…!笑
きついところは…運転時間が長いので、眠気が襲ってきたときでしょうか。
あとはすぐ周りに助けてくれたり、手伝ってくれたりする人がいるわけじゃないので、荷物の積み方、固縛もすべて自分が判断せねばいけないのです。
またトラックの不具合が起きたときも、ある程度はドライバーが対処しないといけません。
運送会社が、地場の経験なしに長距離させないのはこのあたりじゃないかなと思います。
ー確かに未経験で、いきなり長距離OKのところはまずないですよね~。
長距離ドライバーはしっかりと休みが取れるのか?
ーよほど過酷な会社じゃない限り、週に一回はだいたい丸一日休みが取れるものなんですか?
また、その休みもだいたい曜日は決まっているのでしょうか?
工場や倉庫が休みな土日は休みになる場合が多いですが、稼ぎたい場合は週末積んで、月曜着で走る場合もあります。
僕はフリー便なんで、希望すれば平日も休み入れることは可能ですね。 稼ぎが減るので、あまりしませんが。
ーつまり休日については、稼ぎたいかそうでないかで変わってくると。
長距離運転手の気になる給料は?やっぱり高かった
ー長距離やってる方は、給料はやっぱり高いのでしょうか…?
走る回数や内容、荷物、運賃、地方によって違いはありますが、年齢の割にはかなり高い金額とは思いますよ。
ーそうなんですか!ちょっとそこはもっと具体的に知りたいなあ…(笑)
総支給で言うと35万からですかねえ。
僕は40万から47万くらい貰えたらとりあえずオッケーかな?
もちろん野菜や魚、生花の人の中には総支給50万だとか60万だとか70万だとかも聞きますけどね。 あと別途運行費や運行手当が付く会社もあります。(当社は付きます)
ー詳しくありがとうございます!!40万!!やっぱり、普通の運転手よりはかなり高い!
トラックあるあるさんが長距離運転手になった理由も聞いてみた
ーあるあるさんが長距離運転手になったきっかけは、どんな理由からですか?
もともとトラック乗り始めた当初から長距離走りたかったのですが、さすがにいきなり長距離させてくれる会社はなく、3年半は九州管内、広島までの地場便の会社で4tドライバーをやってました。
いよいよ長距離やりたくなったので、今の会社に転職した感じですね。 遠くに遠くに行くのが昔から好きというか、憧れがあったから…ですかね。
ーTwitterを見てると、長距離の運転手さんは色々なご飯を食べたり、かなり充実してるような印象をうけます。
みんな色々なところに行くのが好きな人が多いのでしょうね。
これから長距離運転手を目指す方へアドバイス
ーこれから長距離運転手を目指してる方に、これだけは気をつけた方がいい、知っておいた方がいいことなどはありますか?
まずは会社選びは慎重に。とんでもないブラック会社ありますから。 あとは長距離フリー便ならばいろんな荷扱い経験が宝物です。
まったく未経験なら地場から始めてみても遅くありません。 あとはこれは長距離に限らず、すべてに言えることですが、
「好きだけじゃやっていけないけど好きじゃないとやれない」っていうくらいにはトラックが好きな人が多い業界です。 僕もトラック好きですし。
やってみると、辛いこと以上にいい事があるかもしれません(笑)
頑張ってください!
ー質問はこれで最後です。あるあるさん、ありがとうございました!
まとめ
・時間には意外と余裕がある
・稼げるけど、荷物や走り方によって給料は様々
・トラックが好きな人は向いている
あるあるさんから取材して分かったことをまとめると、こんな感じになりました。わたしも現役で運転手ですが、長距離が時間に余裕があるのは正直驚きました。
やっぱり同じ仕事をしていても、さらっと人に聞いた話や、勝手な印象ではわからないことがたくさんあるんですね。
また、体への負担も思った以上に多くないのかな?という印象もうけました。ただこれは決して「楽そう」ということではなく、あくまで「思ってたよりかは大変じゃないのかな…」という感想です。
ですから「なんだ俺でもできそう!」とは、安易に思わないでくださいね(笑)
最後に、取材に協力してくれたあるあるさん、誠にありがとうございました!!
コメント