最近では、多くの女性トラック運転手を見かけるようになりました。
そして、今はまだ違う仕事をしているが、トラック運転手を目指す女性も多くいると思います。
では現在、「女性ドライバー」として働いている彼女たちが、今までにしてきた苦労や、運転手として仕事をする上で大変な事、良いところはどのようなことがあるのでしょうか?
気になりますよね。
というわけで今回、現在「女性トラック運転手」で、運送会社「5社」を経験してきたベテランドライバーの「優希さん」に取材を取り付けることができましたので、彼女に詳しく話を伺いたいと思います。
優希さんよろしくお願いします!
よろしくお願いします!
女性トラック運転手の苦労とは?ベテランドライバーに詳しく話を聞いてみた
トラック運転手として女性ならではの苦労することやキツイところは?
ーさっそくですが、女性がトラック運転手として働くうえで、苦労することやキツイところは、どのようなものがありますか?
やはり腕力が男性に比べて劣るので体力的にキツイし、職種選びも限られて来ることですね。
私が乗り始めた頃は、女運転手がまだ少なかった事もあり、面接すらしてもらえなかったことも多かったです。
それと男性のプライドの高さ。
私が一番売上を上げてると言われた後、「配車係がクソなだけだ、お前が出来る事は俺だって出来るんだよ!」と面と向かって怒鳴られたりもしました。(笑)
他にも、ダンプカーの仕事初日には、「女でも出来る仕事ですってか。舐めてんじゃねえぞ!」と言われましたね。
ー職種選びは確かにそうですね。現にうちの会社でもやってる仕事によっては採用できないですし…。やっぱり「30kg~」ほどある荷物とかだと、まんま男性と同じように仕事をしろと言われても難しいですもんね。
というか、ええ…?そんな理不尽なことで怒られるんですね…。それはどちらかというと、その運転手がおかしいだけな気もしますけど(笑)
ちなみにどんな状況でそれを言われたんですか?
私は「ユニック→キャリアカー→ダンプ→ウイング(中距離定期便)→リフト車」と経験してきてるんですが、怒られたのはダンプとユニックの会社です。
ユニックの会社で怒鳴られたのは、男運転手が社長と仕事内容について何か言い合いしてて、社長が 「優希さんが一番売上多いんだぞ!」 と言って、その後社長のいない所で、その運転手が私に怒鳴った感じです。
こちらの心境としては、 「私ゃ配車係さんから言われた通りに仕事してるだけで、知らんがな」 って思いましたね(笑)
ダンプで「舐めんなよ」の時は、初日に行った現場で私の先輩が「このコ今日から入ったんでよろしくです」 と挨拶してる時に、他社のベテラン運転手から言われました。
「偉そうなオッサンやなあ。ダンプの仕事がなんぼのもんじゃい」 とか思ってましたよ。
あくまで心の中だけで、表面は 「どうぞよろしくお願いします」とか頭下げてましたが(笑)
ちなみにその偉そうなオッサン運転手とは、その後めっちゃ仲良くなりました(笑)
ー仲良くなれて良かった(笑)その他にキツイところはありますか?
ダンプカーの時はトイレが困りましたね。
男性は荷を積んでもらってる間に降りてちょろっと出来るけど、女はそうはいかない。
トイレに行かなくていいよう水分を摂らなくなり、腎臓を悪くしたり膀胱炎になったりしました…。
ーああー!確かに!男のダンプ乗りなら、ヒョイッと降りてパパっとできちゃいますからね。それで水分を摂らないようになると…それは大変ですね。
あとセクハラは日常茶飯事。
胸をガッツリ触られた事もあるし、言葉でひどく卑猥な事も言われたりします。
ー今は「セクハラ」とか「○○ハラ」と色々ありますが、物流業界は特にそういった法整備?コンプライアンス?っていうんですかね。かなり遅れてる気がします。
それにしてもセクハラが日常茶飯事というのは、結構きついですねぇ…。
男性と給料面での差異や待遇の違いはあるのか
ー私が今出入りしている倉庫にも女性の運転手がいるんですけど、ちょっと気になるのは男の運転手と待遇面や給料面での差異はあるんですか?
全く同じ仕事をこなしているのであればないと思います。(私はそういう事がなかったので同じ給与でした。)
業種にもよりますが、手積み手下ろしはやはりキツイので、パレット積みの現場に優先的に回されるなんかは割とあるんじゃないですか?
体力面は関係ないユニック、キャリア、ダンプは全くなかったですね。
ーだったら安心できますね!確かに、私の周りにいる女性運転手の方も、「男じゃないとかなり難しい(力的に)」現場や納品先は、ほとんど行ってないですね!
どんな女性がトラック運転手に向いてるか?
ー優希さんはどんな女性がトラック運転手に向いてると思いますか?
運転好きな女性(笑)
あと多少の気の強さは必要かと思います。
セクハラ始め、色々とキツイ事を言われたりもするので、それらを何くそと跳ね返せる人でないと続けられないかも。
それとオッチャン受けするというか、愛嬌のある性格の可愛らしい女性は、可愛がられて楽しく仕事が出来るだろうなと思います。
まあでも運転さえ好きであれば何とかなります(笑)
ーすごいシンプルですね(笑)優希さんは運転昔から上手だったんですか?
好きではあったので、休日は1日中乗用車で走り回ったりしてました。普通の一般女性よりは上手かったかな…?
ーその時点でうまいと思います!女性の方で1日中乗用車で走り回ること自体、すごく稀だと思いますよ!やっぱりそれくらい好きな人とか、運転に慣れている人が向いてるんでしょうね。
これからトラック運転手を目指す女性へ一言
ー最後に優希さんから、トラック運転手を目指す女性へ一言ください!
男業界なので大変な事もあるかもですが、先輩女性が切り開いてくれたお陰で 女運転手への道は昔よりもぐんと広くなってます。
給与も仕事も魅力的なので、ぜひ一緒に頑張りましょー!
ー優希さん、取材協力ありがとうございましたー!
まとめ
国が「トラガール」という造語を作り出してまで、物流業界に女性活躍の場を広げようとしている背景には、やはり「トラック運転手の人手不足」があると思います。
乗務員自体の「パイ(規模)」を広げることに必死なんですよね。
ですから、運転手になりたいと思っている女性は、今こそチャンスなのかもしれません。
ただ、今がチャンスというよりかは、これからの時代トラック運転手の女性比率は、どんどん上がっていくと思います(笑)
なぜ比率が上がっていくのかって話なんですけど、運転手の間でよく話題になるんですよ。
手積みとか過酷な作業がどんどん減ってきてるって。
実際私が今やっている仕事も、女性の方でもできる仕事ですし、かなり少数ではありますが、やっている人もたまに見かけます。(パレット降ろしの仕事)
つまり、女性トラック運転手の敷居は、どんどん下がっていってるんですよ。
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