トラックでフォークリフトを使った積み込みにおいて、私がよく思うのが、
「みんな積み方のコツを知らない人が多い…。」
ってこと。
倉庫で長く働くフォークオペレーターでも、あれこれ指示をださないとわからない人もいますし、
積み込みに関して言えば、フォークリフトでも、「トラック運転手」の方が上手な人が多いです。
これは誰が悪いとか、倉庫のフォークマンが遅いとか、そういったことを言いたいのではなく、
基本的な事を何も知らないのです。
だからこそ、フォークリフトを使用しての積み込みにおいての基礎知識と、積み方のコツをまとめてみました
フォークリフト積み込みのコツ【基礎知識編】
アオリとウイングのフックは必ず畳もう
まず積み込みに当たって、赤丸で囲ったフックは、運転手さんに指示するなり、注意をしてフックを必ず畳むようにしてください。
もうここにぶつけてフックが壊れてしまった人を腐るほど見てきました。
それは自分でぶつける人もいますし、フォークマンにぶつけられてしまう人もいます。
注意しながら積み込んだとしても、少しフォークに接触してしまうだけで、フックは簡単に曲がってしまいます。
また、こういった積み込みでの物損などは、当事者になったことがある人ならわかりますが、本当に面倒です。
畳むのは2秒もかからないのでここは横着しないようにしましょう。
荷物がはみ出るはみ出ないの境界線はここを見よう
これはぜひ知っておいて欲しいことなのですが、荷物がはみ出るかはみ出ないかの境界線をしっていますか?
「箱によってサイズが違うでしょ…。」
実際後ろについている「架装メーカー」によって、細かなサイズは違うものの、
どのメーカーにも共通したはっきりとした目印があります。
まずはトラック前方のココの部分を見てください。
”赤い”点線を基準にして、これより外に出ていれば、ウイングを閉じたときに当たってしまいますし、反対にこれより中に入っていればまず当たることはありません。
目印は下にもあります。
このような赤い丸で囲った金具を見たことはないでしょうか?
これはラッシングのフックを引っかけるものなのですが、これもわかりやすい目印になります。
金具より内側に入っていれば、アオリもウイングも問題なく閉まります。
ココにピッタリと合わせるのではなく、ココより中に入ってればいいんです。
これを知らないフォークマンが、意外と多い。
ただ、これを知らないのは当然と言えば当然で、フォークの運転手が、トラックの運転手を皆経験したことがあるかと言えば、そうではありませんね。
だからこそ、これを知っているか否かでは大きな違いがあります。
爪の幅をパレットに合わせる
これは扱うパレットの種類が単一だったり、通年を通してほとんど決まっている場合は、そのパレットの幅に合わせて、爪の幅を調整しましょう。
さすがに毎回幅を調整するのは、レバーで調節できるものではない限り、かなり大変でしょうから。
意外と知らない人が多いんですけど、爪の幅をパレットに合わせることによって、持ち上げた時や運搬中の安定性がびっくりするくらい変わります。
フォークリフト積み込みのコツ【実践編】
基本は車両に対して水平に並び鋭角に積み込む
初心者の方に多いのが、
実際に積み込む段階で、トラックに対して角度をつけないで積み込もうとする方が多いです。
いざ、フォークリフトでパレットにツメを挿している状態で、
右側のように進入したほうが断然やり易いんです。
ツメが左右にスライドするフォークであれば、真っ直ぐ進入しても問題はないのですが、やり易さで言ったら間違いなく角度を付けたほうがいい。
また、そのような癖をつけておくことで、
いざという時にスライド機能をもたないフォークで積み込みをする時に、角度をつける癖があるかないかでそのスムーズさがだいぶ変わってきます。
なので、スライド機能をもったフォークであるとしても、積み込み時に角度をつける癖はつけたほうがよいでしょう。
パレットは気持ち奥から当てる
パレットがトラックの荷台の上に差し掛かるときにイメージしてほしいのは、側端を気持ち奥から当てることです。
なぜ奥から当てるかというと、
手前から先に当ててしまうと、真っ直ぐ積み込むにあたって、一度荷物を引いて再びやり直さない限り修正が厳しいからです。(なんのこと言ってるかわからないかも知れませんが、とりあえず奥から当てるを意識しましょう。)
奥から当てるのに慣れてくると、
マストの傾斜を手前に引くだけでパレットは真っ直ぐになりますし、真っ直ぐになれば綺麗にパレットを並べることができます。
そして気持ち奥から当てるためには、パレットにツメを奥までさしてしまうと難しいので、気持ち、浅くさすようにしましょう。
ただ、本当の理想は前にしろ隣の荷物にあてるにしろ、
一度でパレットを真っ直ぐに当ててしまう事。
しかしながらこれはあくまで理想で、
長く経験をつんでも1度で真っ直ぐ積むようにするのは難しいです。
というかこれは経験じゃ埋められない領域でもあり、
もろにセンスが出ます。
両足を使う
フォークリフトには大きく分けて、「エンジンフォーク(ガスor軽油等)」と「バッテリーフォーク(電気)」があるのですが、両足を使うのは、エンジンフォークの場合です。
エンジンフォークは左足にも「インチングペダル」と言われるものがついているのですが、これをブレーキと勘違いしている人が多くいます。
エンジンフォークリフトのオートマ車についているインチングペダルは、途中まで踏むと走行動力を切断し、シフトレバーを戻さなくてもニュートラルと同じ状態になります。
奥まで踏み込むことで隣のブレーキが一緒に踏み込まれ作動するので、フォークリフトが動く心配がありません。
これはレバー操作(マストの昇降等)をスムーズに行うためのものでもありますし、微調整をやり易くするために装着されているものです。
もちろんこのインチングは、「クラッチを切る」に似た役割があるので、走行中に足を乗せたまま運転するのはよろしくありません。
しかし、走行中以外では、インチングを適切に使用した方が、一つ一つの動作がスムーズに早くなるはずです。
ですので、なるべく両足で運転するように心掛けましょう。
まとめ
最後に参考になる積み込みの動画を探してみました。
この方を見てもらえるとわかりますが、いざ積み込みをする際に、トラックに対して水平に並び「鋭角」に進入してきてますよね。
そして最後に、最も早い上達のコツは、
積み込みが上手な人の真似をすること。
これは同じ会社の人だけでなく、その他の会社でも、上手な人の積み方をしっかりと見ておきましょう。
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